当社では1960年代〜1972年製造の一部の油入りコンデンサに絶縁油としてPCBを使用しておりましたが、
1972年7月に製造を中止し、以降の製造品には一切PCBを使用しておりません。
当時の製造品の、PCB使用有無の判別方法とその取扱いについて下記にご案内致します。 |
1.PCBとは・・・ |
PCBとは、ポリ塩化ビフェニル類の略で塩素を含む有機化合物の一種です。 |
■ 用途: |
不燃性で絶縁性の高い等の特性を有することから火災の危険性の多い場所(発電所・地下 設備等)のトランスやコンデンサの「燃えない」絶縁油として重宝された。その他各種
化学工業や食品工業の加熱、冷却工程の熱媒体、塗料やノンカーボン紙の溶剤、農薬の 効力延長剤等に使用されていたがその毒性が問題となり、1974年に製造、輸入、使用
が法令(科学物質審査規制法)で原則禁止された。
当社では1972年7月にPCBの使用を中止しております。 |
■ 物質: |
水に溶けにくいが油や溶剤に溶けやすい。常温では安定だが高温で分解する。環境中で 難分解性であり、生物に蓄積しやすく慢性毒性を持つ。
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2.当社品のPCB使用有無の判別方法 |
1)電気機器名から判別する方法 |
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当社では、1960年代〜1972年製造の一部の油入りコンデンサにのみPCBを使用しており ました。従って油入りでないコンデンサ(乾式コンデンサ:樹脂タイプ等)及びリアクトル、
放電コイルについてはPCBを使用しておりません。(表1)
表1 |
電気機器名 |
PCB有無 |
コンデンサ |
◎ |
1960年代〜1972年製造の一部の油入りコンデンサにのみPCBを使用。
*この判別は銘板、表示の製造年、表示記号で出来ます。 |
〔備考〕 |
乾式コンデンサ、MPコンデンサ、SHタイプのコンデンサには使用されていません |
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リアクトル |
無し |
放電コイル |
無し |
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2)製造年から判別する方法(油入りコンデンサのみが対象) |
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油入りコンデンサであって、1960年代〜1972年製造の3)項の表示記号のあるコンデンサのみがPCB使用品です。 |
3)表示記号から判別する方法(油入りコンデンサのみが対象) |
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油入りコンデンサであって、銘板及びケース面に表示されている記号が表2に該当するもののみがPCB使用品です。
表2.PCB使用電気機器表示記号一覧表 |
電気機器名
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PCB使用電気機器表示記号 |
コンデンサ |
不燃性油入 |
THK |
LV−1 |
SAK |
PPA |
PL |
DF |
DF式 |
LOWVAC CAPACITOR |
又は〔品名の頭文字〕が
AK、AL
BK、BL
CK、CL
DK、DL
FK、FL
HFT、HTG
KK、KL、KTD、KTM、KTQ、KTT、KTU
P(但しPF、PHF、PPM、PPK、POMPは除く)、
RAK、RAS、RDF、RMO、RWO、RZO
SAK、SAS、STD、STM、STQ、STT、STU
THK、THS
ZA、ZH、ZJ |
…で始まるもの。 |
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3.PCB品に関するお問い合わせ窓口 |
(株)指月電機製作所 総務部 |
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TEL : 0120−888−453(フリーダイヤル)
FAX : 0798−73−0807
E-MAIL : pcb@shizuki.co.jp |
※ |
当社への問合せの際は、形式、定格電圧(V、kV)、周波数(Hz)、容量(kvar、kVA、μF)、製造番号、製造年をご確認の上ご連絡の程お願い致します。
また、製品の銘板の表示で、形式、製造番号などか判断できない場合は、表示内容をご連絡頂くか、銘板(表示部)の写真をメールにて送付願います。 |
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4.関連資料
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1) |
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2) |
PCBの取扱い・保管・管理について
電気事業法に基づく電気関係報告規則により、PCBが混入した絶縁油を使用した
変圧器等については経済産業局への報告を行う事が義務付けられています。
使用済みとなったPCB使用電気機器については、 「廃棄物の処理及び清掃に
関する法律」に基づく、「特別管理産業廃棄物」となり所定の管理が義務付けられ
ています。
また、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」
により、PCB使用機器の保管状況と運用中のPCB使用機器を、事業所を管轄する
都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては市長又は区長)に
報告する事が義務付けられています。 |
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