発電所からパイプライン、工場、エレベータまで。 インバータのあるところにコンデンサあり!
産業用インバータ
日本では、東日本大震災以降、「電気を大切に使おう」という意識がさらに強まっています。世界に目を向けても、人口の増加や環境意識の高まりから、エネルギーの有効利用が大きく注目されています。そんな中、シヅキのコンデンサが搭載されたインバータが、産業のさまざまなシーンで活躍しています。
風力や太陽光からつくる電気は、そのままでは使うことができません。自然の変化に左右され、電流・電圧が不安定になりがち。電気を使いやすく整えるときもインバータが活躍しています。コンデンサは不安定な電気を一定の電圧に整えて、直流から交流に変換しやすい安定した状態にする役割を担っています。
車両の床下に搭載されたインバータ装置がモータを制御し、滑らかで高速な走行を実現させています。コンデンサはインバータ回路の平滑用として搭載。機器の動作に必要なエネルギーの安定化に貢献しています。シヅキのコンデンサは、新幹線や海外の高速鉄道の他、在来線、地下鉄、モノレールにも採用されています。
最近のエレベータはとても高度に制御され、スピードやショックを感じずに、安心して快適に乗ることができます。その滑らかな運転を支えているのもインバータ。インバータは電圧と周波数を細かく変化させモータを制御します。コンデンサは電気の平滑用として採用されています。「フィルムコンデンサ」は周波数特性に優れているため、高周波領域で運転するインバータに適しています。
鉄鋼、フィルム、薬品などの製造工場の設備は、インバータ制御がもう常識。たとえば、紙やフィルムをロール状に巻くときには、インバータがモータの速度を細かくコントロールして品質を守りながら生産し、省エネにも貢献しています。コンデンサはインバータ装置に搭載され、生産だけでなく省エネにも役立っています。
発電した電気を、遠く離れた大都市までロスなく送りたいとき、電気を高電圧にして直流で送るのが一番ロスの少ない方法です。この直流送電では、インバータを使って交流から直流、さらに直流から交流に変換します。コンデンサは、変換された電圧を安定化させたり、電力網へスムーズに供給できるように調整する役割を担っています。送電での大きな電圧変動にも対応でき、長寿命で信頼性の高いコンデンサです。
大容量のガスやオイルを遠くまで運ぶパイプライン。その輸送に使われるドライブ装置は、電気のムダが無いよう、効率よく運ぶためにインバータ制御されています。ここでもシヅキのコンデンサが搭載されていて、日本国内だけでなく海外のパイプラインでも活躍しています。
環境にやさしい船として注目される電気推進船。スクリューを回転させるタービンの電源や、荷役クレーンのスムーズな動作のためにインバータが使われています。ここでもコンデンサは、電気の流れをスムーズにし、さらに省エネ運転にも貢献しています。
※この記事は、当社株主通信(第88期 第2四半期報告書 2015年11月発行)に掲載した記事を一部変更し、掲載しています。
2020年7月掲載