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力率改善用機器

力率改善とは?

一般に、流れているすべての電力(=皮相電力)が仕事をしているわけではありません。実際に仕事をする有効電力の他に、仕事をしない無効電力が同時に流れます。流れている電気のうち、何%が仕事をしているかを示す値を「力率」と呼びます。進相コンデンサは、力率を100%に近づけるために設置されます。力率を改善すると、次のような効果があります。

力率改善用機器

力率改善の効果

  1. 1.電気料金が割引される
    コンデンサを取り付けて力率を改善すると、その分だけ基本料金が割引されます。
    例えば、力率を85%から95%にすると、10%の割引が適用されます。
    基本料金=契約電力×料金単価×(1.85-力率)
  2. 2.電力設備に余裕ができる
    低圧コンデンサの取り付けにより、構内の変圧器や電線路に余裕ができるので、設備を増設しなくても負荷の増設が可能になります。
  3. 3.電力損失が低減される
    低圧コンデンサの取り付けにより、構内の変圧器や電線路に流れる電流が減少し電力損失が減少するので、電力を有効に使えます。
  4. 4.電圧が安定する
    低圧コンデンサの取り付けにより、構内の電圧降下や電圧変動が少なくなり質の良い電力が使えるので製品の品質が安定し生産性が向上します。

進相コンデンサの役割

進相コンデンサには、電気機器に存在する遅れの無効電力を打ち消し、無効電力を少なくするという役割があります。無効電力が少なくなると、力率(=有効電力/皮相電力)も改善されます。

設置位置による違い

力率改善効果は、進相コンデンサの設置位置よりも上位の部分にあります。そのため、負荷により近い位置に設置することで、高い改善効果が得られます。

①または②のコンデンサを変圧器の一次側または二次側に一括設置する場合は、開閉時の過大な突入電流の抑制や高調波の拡大を抑制するため、直列リアクトルと組合せて設置するのが望ましいです。一般の工場においては、工作機械やチラー設備ごとに③C3の設置方法、分電盤や制御盤に設置する④C4例もあります。
なお、低圧進相コンデンサのみでは、取引力率(電源側力率)が低い場合、高圧進相コンデンサ①C1で補い、その比率を低圧側70%、高圧側30%位として、省エネルギーと軽負荷時の力率進み過ぎの防止を兼ねる場合もあります。

各々の設置方法でのメリット・デメリットは下表の通りです。

設置場所 目的 メリット デメリット
①C1 電気料金の低減(力率割引制度) ①同一場所の設置のためメンテナンスが容易。
②コンデンサの稼動率が良い。
③大容量一括のため割安。
①大容量集合形であるため、負荷変動に応動出来ない。
②C2 変圧器の余裕と過負荷防止、および銅損の軽減 ①大容量の集合形となるので、μFあたりの価格が安い。
②同一場所の設置のためメンテナンスが容易。
③コンデンサの稼働率が良い。
①軽負荷時に切る開閉器が必要。
②軽負荷時に投入される場合は直列リアクトルが必要。
③大容量集合形であるため負荷変動に応動出来ない。
③C3 同上および幹線の電流、電力損の軽減、電圧降下(変動)の防止 ①複数台連動する負荷に対して一括設置が可能。
②ある程度負荷の変動に応動できる。
①設置場所が限定される。
②平均負荷電流の調査が必要。
③負荷と共に投入、開放する開閉器が必要。
④C4 同上および分岐線も含む ①負荷の開閉器を兼用すれば、開閉器は不用。
②最も理想的な改善の効果がある。
①μFあたりの価格が高い。
②コンデンサの数が多い。
③コンデンサの稼動率が悪い。

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